軸設計は「直径を決める計算」ではない
回転軸は、モータ、減速機、歯車、スプロケット、プーリ、カップリングなどを介して動力を伝える、機械設計の基本部材です。
しかし実際の軸設計では、単に「伝達トルクから必要径を求める」だけでは不十分です。
軸には同時に、
- トルクによるねじり
- 歯車・ベルト・チェーンなどから生じる曲げ
- 段差やキー溝による応力集中
- 回転曲げによる繰返し応力
- 軸受間でのたわみ
- トルク伝達によるねじれ
- 回転体としての振動・アンバランス
が作用します。
したがって軸設計は、
荷重を求める → 危険断面を探す → 静強度を確認する → 疲労を確認する → 剛性を確認する → 軸受・はめあい・回転条件を確認する
という複数の判定を組み合わせる必要があります。
特に重要なのは、
最大曲げモーメントの位置と、実際に破壊しやすい位置は必ずしも一致しない
という点です。
段付き部、キー溝、止め輪溝、ねじ部、圧入端などに応力集中があれば、荷重そのものが最大でなくても、そこが危険断面になることがあります。
軸設計で扱う代表的な設計変数
代表的な変数を整理します。
| 記号 | 意味 | 主な単位 |
|---|---|---|
| d | 軸径 | mm |
| d_i | 中空軸の内径 | mm |
| T | トルク | N·mm |
| M | 曲げモーメント | N·mm |
| F | 軸に作用する荷重 | N |
| σ_b | 曲げ応力 | MPa |
| τ | ねじりせん断応力 | MPa |
| σ_eq | 相当応力 | MPa |
| E | ヤング率 | MPa |
| G | 横弾性係数 | MPa |
| I | 断面二次モーメント | mm⁴ |
| J | 極断面二次モーメント | mm⁴ |
| L | 軸長または評価区間長 | mm |
| θ | ねじれ角 | rad |
| K_t | 理論応力集中係数 | — |
| K_f | 疲労切欠き係数 | — |
軸径を決めるには、少なくとも「トルク」「曲げ」「材料」だけでなく、荷重位置と軸形状が必要です。
中実丸軸のねじり
中実丸軸の極断面二次モーメントは、\[ J=\frac{\pi d^4}{32} \]
です。
軸表面の最大ねじりせん断応力は、\[ \tau=\frac{T(d/2)}{J} \]
なので、\[ \tau=\frac{16T}{\pi d^3} \]
となります。
この式から重要なことが分かります。
ねじり応力は、\[ \tau \propto \frac{1}{d^3} \]
です。
つまり軸径を少し大きくするだけでも、ねじり応力は大きく低下します。
逆に、軸径を小さくすると応力は急激に増加します。
曲げを受ける軸
中実丸軸の断面二次モーメントは、\[ I=\frac{\pi d^4}{64} \]
です。
曲げ応力は、\[ \sigma_b=\frac{Mc}{I} \]
で、軸表面では、\[ c=\frac{d}{2} \]
なので、\[ \sigma_b=\frac{32M}{\pi d^3} \]
となります。
曲げ応力も軸径の3乗に反比例します。
したがって軸設計では、
わずかな軸径変更でも強度への影響は大きい
と考える必要があります。
曲げとねじりを同時に受ける場合
実際の軸では、曲げとねじりが同時に作用するケースが一般的です。
例えば、
- 歯車軸
- スプロケット軸
- ベルト駆動軸
- モータ出力軸
- ポンプ駆動軸
などです。
延性材料の静的な降伏評価では、von Mises相当応力を用いる方法が代表的です。
曲げによる垂直応力とねじりによるせん断応力を組み合わせると、\[ \sigma_{eq}=\sqrt{\sigma_b^2+3\tau^2} \]
となります。
中実丸軸の式を代入すると、\[ \sigma_{eq} = \sqrt{ \left(\frac{32M}{\pi d^3}\right)^2 + 3\left(\frac{16T}{\pi d^3}\right)^2 } \]
です。
整理すると、\[ \sigma_{eq} = \frac{16}{\pi d^3} \sqrt{4M^2+3T^2} \]
となります。
この式を軸径について解けば、静強度を基準とした概略軸径を求められます。\[ d = \left[ \frac{16}{\pi \sigma_{allow}} \sqrt{4M^2+3T^2} \right]^{1/3} \]
ここで σ_allow は設計上設定する許容相当応力です。
ただし、この値だけで最終軸径を決めてはいけません。
これはあくまで静強度から見た初期寸法です。
代表計算例:曲げとねじりを受ける中実軸
次の軸を考えます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 曲げモーメント M | 500 N·m |
| トルク T | 300 N·m |
| 仮定軸径 d | 40 mm |
| 仮定許容相当応力 | 120 MPa |
計算では単位を統一します。\[ M=500000\ \mathrm{N\cdot mm} \]\[ T=300000\ \mathrm{N\cdot mm} \]
曲げ応力
\[ \sigma_b = \frac{32\times500000}{\pi\times40^3} \]\[ \sigma_b \approx79.6\ \mathrm{MPa} \]
ねじりせん断応力
\[ \tau = \frac{16\times300000}{\pi\times40^3} \]\[ \tau \approx23.9\ \mathrm{MPa} \]
von Mises相当応力
\[ \sigma_{eq} = \sqrt{79.6^2+3\times23.9^2} \]\[ \sigma_{eq} \approx89.7\ \mathrm{MPa} \]
仮定した許容相当応力が120 MPaであれば、\[ 89.7 < 120 \]
なので、この単純化した静強度条件では40 mm軸は成立します。
逆に、許容相当応力120 MPaから必要径を逆算すると、\[ d = \left[ \frac{16}{\pi\times120} \sqrt{4(500000)^2+3(300000)^2} \right]^{1/3} \]
より、\[ d\approx36.3\ \mathrm{mm} \]
となります。
しかし、ここで「φ37程度にすれば設計完了」と判断するのは危険です。
実際には、
- 段付き部
- キー溝
- 表面状態
- 寸法効果
- 疲労
- 軸受とのはめあい
- たわみ
- ねじれ
- 加減速時の最大トルク
- 衝撃荷重
などを確認する必要があります。
したがって36.3 mmは、完成寸法ではなく軸径検討の出発点です。
静強度と疲労強度を分けて考える
軸設計で非常に重要なのが、静強度と疲労強度を混同しないことです。
静強度
静強度では主として、
- 最大曲げモーメント
- 最大トルク
- 最大軸力
- 降伏
- 塑性変形
を確認します。
例えば始動・停止時に一時的な大トルクが発生する軸では、最大トルクによる降伏確認が必要です。
疲労強度
一方、回転軸では曲げ応力が繰り返されます。
一定方向の横荷重を受けながら軸自身が回転すると、軸表面の一点から見れば、
引張 → 0 → 圧縮 → 0 → 引張
という応力変動になります。
つまり外力が一定でも、材料内部では繰返し応力になる場合があります。
そのため回転軸では、
静強度が十分でも疲労破壊する
ことがあります。
ISO 12107:2012は金属材料の疲労試験計画と疲労データの統計解析を扱う国際規格で、2026年に再確認され、現行版として維持されています。疲労強度は単一の「材料定数」として雑に扱うのではなく、試験条件や統計性を含むデータとして扱う必要があります。ISO
段付き軸は「段差」を必ず見る
実際の軸は完全なストレート軸ではありません。
例えば、
カップリング
│
────┬────────┬────────
│ 軸受 │ 歯車
│ │
段差 段差
のように、
- 軸受座
- 歯車座
- シール摺動部
- カップリング取付部
などで直径が変化します。
段付き部には応力集中が発生します。
公称曲げ応力が、\[ \sigma_{nom} \]
で、理論応力集中係数が K_t なら、弾性範囲で局所最大応力を概念的に、\[ \sigma_{max}=K_t\sigma_{nom} \]
と評価できます。
ただし疲労設計では、理論応力集中係数をそのまま疲労評価へ適用するとは限りません。
材料の切欠き感度などを考慮した疲労切欠き係数 K_f を用いる考え方があります。
したがって、
静強度の応力集中評価と疲労の切欠き評価は分ける
ことが重要です。
キー溝はトルク伝達部であると同時に弱点になる
キー溝を設けると、軸断面が欠損します。
さらに溝底には形状変化があるため、応力集中も発生します。
したがって、
「φ40の軸だからφ40の丸軸として計算すればよい」
とは限りません。
キー溝が危険断面に存在する場合は、
- 断面欠損
- 曲げ応力集中
- ねじり応力集中
- フレッティング
- キー側のせん断
- キー・ハブ間の面圧
を分けて考えます。
キーそのものの設計はDay 3「キー・スプライン」で詳しく扱います。
中空軸という選択肢
軽量化や慣性低減が必要な場合、中空軸が有効です。
中空丸軸の極断面二次モーメントは、\[ J=\frac{\pi}{32}\left(d_o^4-d_i^4\right) \]
です。
断面二次モーメントは、\[ I=\frac{\pi}{64}\left(d_o^4-d_i^4\right) \]
です。
ここで、
d_o:外径d_i:内径
です。
断面二次モーメントや極断面二次モーメントは直径の4乗に依存するため、材料を軸中心から外側へ配置するほど効率的に剛性を確保できます。
そのため中空軸は、同じ質量を使う場合に有利な断面設計となる場合があります。
ただし、
- 加工コスト
- 内径加工
- 肉厚
- 応力集中
- 接続方法
- シール構造
- 内部腐食
なども考慮する必要があります。
軸は強度だけでなく剛性で決まることがある
軸が破断しなくても、たわみが大きければ機械として成立しないことがあります。
例えば軸のたわみが大きいと、
- 歯車の歯当たり悪化
- 軸受の偏荷重
- シールの偏心
- カップリングのミスアライメント
- 振動増加
- 加工精度低下
につながります。
したがって、
強度OK ≠ 軸設計OK
です。
曲げ剛性
梁のたわみは、一般に、\[ EI \]
に強く依存します。
E は材料特性、I は断面形状による値です。
丸軸では、\[ I\propto d^4 \]
なので、軸径はたわみに非常に強く影響します。
ただし実際のたわみ式は、
- 支持条件
- 荷重位置
- 集中荷重か分布荷重か
- 軸受支持のモデル
によって変わります。
したがって「軸のたわみ公式」を一つだけ覚えるのではなく、荷重図と支持条件から梁モデルを作ることが重要です。
ねじれ角も確認する
軸のねじれ角は、\[ \theta=\frac{TL}{GJ} \]
で評価できます。
ここで、
θ:ねじれ角T:トルクL:軸長G:横弾性係数J:極断面二次モーメント
です。
単位を、
T:N·mmL:mmG:N/mm²J:mm⁴
で統一すれば、θ はradになります。
ねじれ角が問題になる代表例は、
- サーボ機構
- 位置決め機構
- 長尺駆動軸
- 同期軸
- 高応答駆動系
です。
静強度上は十分太く見える軸でも、位置決め精度から見るとねじり剛性不足ということがあります。
危険断面は「荷重図 × 形状」で探す
軸設計では、まず荷重から曲げモーメント図を作ります。
しかし最大モーメント位置だけを計算するのでは不十分です。
危険断面候補には、
- 最大曲げモーメント位置
- 最大トルク位置
- 軸径段差
- キー溝
- 止め輪溝
- ねじ部
- 圧入端
- 軸受肩
- 歯車・スプロケット取付部
- カップリング取付部
を含めます。
実務では、
「荷重が大きい場所」と「形状が弱い場所」を重ねる
という考え方が有効です。
危険断面を1か所だけ決め打ちするのではなく、候補断面を複数抽出し、それぞれを評価します。
はめあいは軸強度とは別の設計軸
軸受、歯車、カップリングなどを取り付ける軸では、公差とはめあいも必要です。
ISO 286-1:2010は線形寸法の公差およびはめあいに関するISOコードシステムを規定しており、穴基準・軸基準などの基本概念を扱っています。2026年の再確認でも現行版として維持されています。ISO
ただし、実際の軸受座などのはめあいを決める際は、
- 荷重方向
- 内輪・外輪のどちらが回転するか
- 荷重の大きさ
- 温度
- 軸材質
- ハウジング材質
- 組立・分解方法
を考慮し、使用する軸受メーカーの技術資料も確認します。
「φ40 h6」のような寸法公差だけを機械的に決めるのではなく、なぜそのはめあいが必要なのかを荷重条件から判断することが重要です。
高速軸ではバランスと振動を別途考える
回転速度が高くなると、静的な応力計算だけでは不十分です。
偏心質量 m、偏心量 e、角速度 ω があると、遠心力は概念的に、\[ F=m e \omega^2 \]
となります。
つまり回転数が上昇すると、アンバランスによる力は角速度の2乗で増加します。
高速回転体では、
- 残留アンバランス
- 固有振動数
- 危険速度
- 軸受剛性
- 支持構造
- ロータの剛体/弾性体としての挙動
を確認する必要があります。
ISO 21940-11:2016は剛性ロータのバランシング手順とアンバランス許容値を扱い、2022年の追補があります。ISOの2026年レビュー情報でも現行規格として掲載されています。ISO
したがって高速軸では、「軸径を太くすれば安全」という単純な判断ではなく、ロータダイナミクスとして評価する必要があります。
実務で使える軸設計フロー
軸設計を再利用可能な手順にすると、次のようになります。
荷重条件を整理する
まず、
- 定常トルク
- 最大トルク
- 起動・停止トルク
- 歯車荷重
- ベルト張力
- チェーン張力
- 軸方向荷重
- 衝撃荷重
- 回転数
を整理します。
支持条件を決める
次に、
- 軸受位置
- 荷重点
- オーバーハング量
- 支持間隔
を決めます。
反力を求める
静力学から軸受反力を求めます。
曲げモーメント図を作る
複数方向に荷重がある場合は、それぞれの平面について曲げモーメントを求めます。
危険断面候補を抽出する
最大モーメント位置だけでなく、段差、溝、ねじ、圧入端なども候補にします。
仮軸径を決める
曲げ+ねじりの静強度計算から初期径を決めます。
応力集中を確認する
段付き部、キー溝、止め輪溝などを評価します。
疲労を確認する
平均応力と応力振幅、切欠き、表面状態、寸法、材料データなどを考慮します。
剛性を確認する
- たわみ
- 傾き
- ねじれ角
を確認します。
回転条件を確認する
必要に応じて、
- バランス
- 固有振動数
- 危険速度
を確認します。
標準寸法・加工性へ落とす
最後に、
- 軸受内径
- シール径
- キー寸法
- カップリング穴径
- 加工工具
- 材料径
- 組立方法
との整合を取ります。
つまり軸径は、
計算値をそのまま採用するのではなく、周辺機械要素とのインターフェースを含めて決定する
のが実務的です。
ありがちな誤設計
トルクだけで軸径を決める
横荷重を受ける軸では曲げが支配的になることがあります。
必ず曲げモーメントを確認します。
最大曲げ位置だけを見る
段差やキー溝の応力集中を見落とすと、別の場所から疲労亀裂が発生する可能性があります。
静強度だけで終わる
回転曲げでは繰返し応力になります。
降伏しないことと、疲労破壊しないことは別問題です。
強度だけで軸径を決める
軸がたわめば、軸受・歯車・シールなど周辺要素に悪影響を与えます。
材料強度値をそのまま疲労強度に使う
疲労特性は表面、寸法、切欠き、信頼度、荷重状態などの影響を受けます。
特定鋼種の疲労許容値を根拠なく固定値として使うべきではありません。
主な故障モード
| 故障モード | 主な原因 | 設計上の確認 |
|---|---|---|
| 疲労破壊 | 回転曲げ、応力集中 | 応力振幅、切欠き、表面状態 |
| ねじり破断 | 過大トルク | 最大トルク、せん断応力 |
| 曲げ塑性変形 | 過大横荷重 | 最大曲げ応力 |
| 過大たわみ | 軸径不足、支持間隔過大 | EI、荷重位置 |
| 過大ねじれ | ねじり剛性不足 | GJ、軸長 |
| キー溝起点亀裂 | 応力集中 | 溝形状、危険断面 |
| フレッティング | 微小相対運動 | はめあい、面圧、振動 |
| 共振 | 固有振動数と運転速度の接近 | 回転数、支持剛性 |
| 軸受寿命低下 | 軸たわみ・傾き | 軸受位置、軸剛性 |
設計チェックリスト
- 定常トルクだけでなく最大トルクを確認したか
- 歯車・ベルト・チェーン等の横荷重を含めたか
- 軸受反力を求めたか
- 曲げモーメント図を作ったか
- 最大曲げ位置を確認したか
- 段付き部を危険断面候補にしたか
- キー溝・止め輪溝・ねじ部を確認したか
- 曲げとねじりを合成評価したか
- 静強度と疲労強度を分離したか
- 応力集中を考慮したか
- 軸たわみを確認したか
- ねじれ角を確認したか
- 高速軸ではバランス・危険速度を検討したか
- 軸受・シール・歯車等のはめあいを確認したか
- 加工・組立・分解性を確認したか
- 材料強度や疲労データの出典を確認したか
- 計算値ではなく標準寸法・周辺部品との整合から最終径を決めたか
知識資産化できる項目
軸設計はルール化・コード化との相性が非常に良い分野です。
例えばデータ構造は、次のように整理できます。
{
"element_type": "shaft",
"geometry": {
"outer_diameter_mm": null,
"inner_diameter_mm": 0,
"sections": []
},
"loads": {
"torque_Nmm": null,
"bending_moment_Nmm": null,
"axial_force_N": null,
"speed_rpm": null
},
"material": {
"grade": null,
"yield_strength_MPa": null,
"fatigue_data_source": null
},
"critical_sections": [],
"checks": {
"static_strength": null,
"fatigue": null,
"deflection": null,
"twist": null,
"critical_speed": null
},
"failure_modes": [
"fatigue_fracture",
"torsional_failure",
"excessive_deflection",
"resonance",
"fretting"
],
"outputs": {
"required_diameter_mm": null,
"selected_diameter_mm": null,
"equivalent_stress_MPa": null,
"safety_factor": null
}
}
特に自動化価値が高いのは、
荷重入力 → 軸受反力 → 曲げモーメント → 危険断面抽出 → 曲げ応力 → ねじり応力 → 相当応力 → 疲労評価 → たわみ → ねじれ → 推奨軸径
という計算パイプラインです。
さらに軸の各断面を、
section_id
x_position
diameter
fillet_radius
keyway
groove
bearing_seat
gear_position
load
stress_concentration
のようなデータとして持てば、「最大モーメント位置だけを見る」のではなく、形状不連続を含めて危険断面を自動探索する設計ロジックへ発展させられます。
これは単なる軸径計算機より一段上の、再利用可能な設計知識になります。
まとめ
軸設計で重要なのは、一本の軸を単なる丸棒として扱わないことです。
軸は、
荷重を受け、トルクを伝え、軸受に支持され、他の機械要素と接続されながら回転する構造部材
です。
そのため設計では、
荷重 → 反力 → 曲げモーメント → 危険断面 → 静強度 → 疲労 → 剛性 → 回転条件 → はめあい → 標準寸法
という順序で評価すると整理しやすくなります。
特に覚えておきたいのは、
「必要軸径を計算する」のではなく、「複数の破損・機能限界を満足する軸形状を設計する」
という考え方です。
次回は、軸とハブの間でトルクを伝達するキー・スプラインを扱います。キーそのもののせん断・面圧だけでなく、キー溝による軸の弱体化まで含めて整理します。
参考規格・一次情報
2026年10月5日時点で、ISO 286-1:2010は2026年に再確認され現行、ISO 12107:2012も2026年に再確認され現行です。ISO 21940-11:2016には2022年追補があり、剛性ロータのバランシング手順・許容値を扱います。なお、古いISO/R 775:1969は1998年に廃止されているため、現行規格として参照していません。ISO
ISO 286-1:2010 公式ページ
ISO 12107:2012 公式ページ
ISO 21940-11:2016 公式ページ
日本産業標準調査会 JIS検索

