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UNIT 04電気・電子・制御 FIG.00 · EYECATCH

オームの法則で読む抵抗回路|電流・電圧降下・抵抗値の決め方

オームの法則を使って、抵抗に流れる電流、両端の電圧、必要な抵抗値を相互に計算する方法を整理します。単一抵抗と電源の関係に絞り、電圧降下、電流制限、発熱の見積もりまでを計算例つきで読めるようにします。

DOC NO.EKP-04-1451
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抵抗回路の基本は、電圧・電流・抵抗の 3 量をオームの法則で結ぶことです。ここでは単一抵抗に限定し、V = IR から電流、抵抗両端の電圧、抵抗値を逆算できる形にします。

STEP 2 / 16|機械・油圧技術者が電気回路を計算して読むための基礎

$$V = IR$$

  • 電圧 V、電流 I、抵抗 R は、オームの法則で相互に変換できます。
  • 必要な抵抗値は、目標電流から \( R = V/I \) で決めます。
  • 抵抗で消費される電力は \( P = VI = I^2R = V^2/R \) で求めます。
  • 単位は V、A、Ω にそろえてから計算します。
  • この記事の式は、直流で、抵抗値が一定とみなせる純抵抗に使います。
  • LED、コイル、直列・並列回路は後のステップで分けて扱います。

前の内容で扱った 電気の単位と符号 を使い、ここでは単一抵抗を数値で読みます。全体の流れは 機械・油圧技術者が電気回路を計算して読むための基礎 の中の、直流抵抗回路の入口です。

目次

抵抗回路で何を計算するか

この記事で扱うのは、直流電源に単一の純抵抗をつないだ場合です。知りたい量は、抵抗に流れる電流、抵抗両端の電圧、目的の電流にする抵抗値です。

抵抗では、電力がほぼ熱になります。だから電流や抵抗値だけでなく、消費電力も同時に確認します。

$$V = IR$$

  • \( V \): 抵抗両端の電圧 [V]
  • \( I \): 抵抗に流れる電流 [A]
  • \( R \): 抵抗値 [Ω]

式を変形すると、次の 3 通りで使えます。

$$I = \frac{V}{R}, \quad R = \frac{V}{I}$$

電力は次の式で求めます。

$$P = VI = I^2R = \frac{V^2}{R}$$

  • \( P \): 消費電力 [W]

たとえば、電源電圧 \( V = 12\ \mathrm{V} \)、抵抗 \( R = 220\ \Omega \) のとき、電流は次の通りです。

$$I = \frac{12\ \mathrm{V}}{220\ \Omega} = 0.05455\ \mathrm{A}$$

\( 1\ \mathrm{A} = 1,000\ \mathrm{mA} \) なので、

$$0.05455\ \mathrm{A} \times 1,000 = 54.55\ \mathrm{mA}$$

したがって、流れる電流は約 54.5 mA です。電圧が決まれば、抵抗が小さいほど電流は大きくなります。だから回路の電流上限を読むときは、まず抵抗値を確認します。

与えられた量求める量計算結果
\( V = 12\ \mathrm{V} \)、\( R = 220\ \Omega \)\( I \)\( 12/220 \)0.05455 A = 54.5 mA
\( V = 5.0\ \mathrm{V} \)、\( I = 20\ \mathrm{mA} = 0.020\ \mathrm{A} \)\( R \)\( 5.0/0.020 \)250 Ω
\( V = 24\ \mathrm{V} \)、\( R = 1.2\ \mathrm{k\Omega} = 1,200\ \Omega \)\( P \)\( 24^2/1,200 \)0.480 W

代表的な電源電圧と抵抗値で、電流を比べます。

電源電圧 V100 Ω220 Ω1,000 Ω
5.0 V50.0 mA22.7 mA5.00 mA
12 V120 mA54.5 mA12.0 mA
24 V240 mA109 mA24.0 mA

同じ抵抗なら、電圧を 2 倍にすると電流も 2 倍です。同じ電圧なら、抵抗を大きくすると電流は反比例で小さくなります。

オームの法則の式をそのまま使う

オームの法則は、抵抗にかかる電圧が、電流と抵抗の積で決まる関係です。ここでは、抵抗値が一定で、温度変化を無視できる範囲に限定します。

$$V = IR$$

比例関係なので、\( V \) が増えると \( I \) は増えます。一方で、\( R \) が増えると \( I \) は減ります。

電源電圧 \( V = 10\ \mathrm{V} \)、抵抗 \( R = 470\ \Omega \) の電流は、

$$I = \frac{10\ \mathrm{V}}{470\ \Omega} = 0.02128\ \mathrm{A} = 21.3\ \mathrm{mA}$$

電流 \( I = 15\ \mathrm{mA} = 0.015\ \mathrm{A} \)、抵抗 \( R = 330\ \Omega \) の電圧は、

$$V = 0.015\ \mathrm{A} \times 330\ \Omega = 4.95\ \mathrm{V}$$

電圧 \( V = 6.0\ \mathrm{V} \)、電流 \( I = 30\ \mathrm{mA} = 0.030\ \mathrm{A} \) にしたいときの抵抗は、

$$R = \frac{6.0\ \mathrm{V}}{0.030\ \mathrm{A}} = 200\ \Omega$$

12 V に対して抵抗を変えると、電流は次のように変わります。

R計算I
100 Ω\( 12/100 \)0.120 A = 120 mA
220 Ω\( 12/220 \)0.05455 A = 54.5 mA
470 Ω\( 12/470 \)0.02553 A = 25.5 mA
1,000 Ω\( 12/1,000 \)0.0120 A = 12.0 mA

5 V で目標電流を決めると、必要抵抗は次のように逆算できます。

目標電流 IA への換算必要抵抗 R
5 mA0.005 A\( 5.0/0.005 = 1,000\ \Omega \)
10 mA0.010 A\( 5.0/0.010 = 500\ \Omega \)
20 mA0.020 A\( 5.0/0.020 = 250\ \Omega \)
50 mA0.050 A\( 5.0/0.050 = 100\ \Omega \)

R が大きいほど、同じ電圧で流れる電流は小さくなります。だから電流制限では、先に目的の電流を決め、\( R = V/I \) で抵抗値を逆算します。

電圧降下をどう読むか

抵抗両端の電圧降下は、その抵抗の両端に現れる電位差です。単一抵抗だけなら、電源電圧の全部がその抵抗にかかります。

たとえば、電源 24 V、抵抗 \( 2.2\ \mathrm{k\Omega} = 2,200\ \Omega \) では、抵抗両端の電圧降下は 24 V です。電流は、

$$I = \frac{24\ \mathrm{V}}{2,200\ \Omega} = 0.01091\ \mathrm{A} = 10.9\ \mathrm{mA}$$

同じように、電源 5.0 V、抵抗 \( 1.0\ \mathrm{k\Omega} = 1,000\ \Omega \) なら、抵抗両端の電圧降下は 5.0 V です。

$$I = \frac{5.0\ \mathrm{V}}{1,000\ \Omega} = 0.0050\ \mathrm{A} = 5.00\ \mathrm{mA}$$

1.0 kΩ の単一抵抗で、電源電圧を変えたときの電流です。

電源電圧電圧降下電流
3.3 V3.3 V3.30 mA
5.0 V5.0 V5.00 mA
12 V12 V12.0 mA
24 V24 V24.0 mA

5.0 V の単一抵抗では、抵抗値が変わっても電圧降下は 5.0 V です。変わるのは電流です。

R電圧降下電流
100 Ω5.0 V50.0 mA
330 Ω5.0 V15.2 mA
1,000 Ω5.0 V5.00 mA
4,700 Ω5.0 V1.06 mA

電源電圧が固定なら、単一抵抗で変わるのは電流です。だから単一抵抗の回路では、まず抵抗両端に何 V かかるかを押さえます。

必要な抵抗値を決める

流したい電流が先に決まる用途では、抵抗値を逆算します。式は \( R = V/I \) です。

電源 \( V = 12\ \mathrm{V} \)、目標電流 \( I = 20\ \mathrm{mA} = 0.020\ \mathrm{A} \) なら、

$$R = \frac{12\ \mathrm{V}}{0.020\ \mathrm{A}} = 600\ \Omega$$

電源 \( V = 5.0\ \mathrm{V} \)、目標電流 \( I = 10\ \mathrm{mA} = 0.010\ \mathrm{A} \) なら、

$$R = \frac{5.0\ \mathrm{V}}{0.010\ \mathrm{A}} = 500\ \Omega$$

電源電圧と目標電流を振ると、必要抵抗は次のようになります。

電源電圧5 mA10 mA20 mA
3.3 V660 Ω330 Ω165 Ω
5.0 V1,000 Ω500 Ω250 Ω
12 V2,400 Ω1,200 Ω600 Ω
24 V4,800 Ω2,400 Ω1,200 Ω

電源電圧が 2 倍なら、同じ電流にする抵抗値も 2 倍です。目標電流を 2 倍にすると、必要抵抗は 1/2 になります。

実際の抵抗は、計算値そのものが手元にないことがあります。その場合は、標準抵抗値に丸めた後の電流を再計算します。

条件計算値選んだ抵抗値の例実際の電流
3.3 V、20 mA165 Ω180 Ω\( 3.3/180 = 18.3\ \mathrm{mA} \)
5.0 V、20 mA250 Ω270 Ω\( 5.0/270 = 18.5\ \mathrm{mA} \)
12 V、10 mA1,200 Ω1,200 Ω\( 12/1,200 = 10.0\ \mathrm{mA} \)
24 V、5 mA4,800 Ω5,100 Ω\( 24/5,100 = 4.71\ \mathrm{mA} \)

電流を上限以下に抑えたい用途では、抵抗値を少し大きめに選ぶ考え方があります。ただし、許容電流や必要動作電流がある部品では、その部品の条件で判断します。

抵抗の発熱を見積もる

抵抗に電流が流れると、消費電力の多くは熱になります。抵抗値が合っていても、電力定格を超えると過熱します。

$$P = VI$$

オームの法則を使うと、同じ電力を次の形でも求められます。

$$P = I^2R, \quad P = \frac{V^2}{R}$$

電源 \( V = 12\ \mathrm{V} \)、電流 \( I = 20\ \mathrm{mA} = 0.020\ \mathrm{A} \) の消費電力は、

$$P = 12\ \mathrm{V} \times 0.020\ \mathrm{A} = 0.240\ \mathrm{W}$$

電流 \( I = 50\ \mathrm{mA} = 0.050\ \mathrm{A} \)、抵抗 \( R = 220\ \Omega \) なら、

$$P = (0.050\ \mathrm{A})^2 \times 220\ \Omega = 0.550\ \mathrm{W}$$

電圧 \( V = 5.0\ \mathrm{V} \)、抵抗 \( R = 330\ \Omega \) なら、

$$P = \frac{(5.0\ \mathrm{V})^2}{330\ \Omega} = \frac{25.0}{330} = 0.0758\ \mathrm{W}$$

220 Ω に流す電流を変えると、発熱は \( I^2 \) で増えます。

電流 IA への換算電力 \( P = I^2R \)
5 mA0.005 A0.00550 W = 5.50 mW
10 mA0.010 A0.0220 W = 22.0 mW
20 mA0.020 A0.0880 W = 88.0 mW
50 mA0.050 A0.550 W = 550 mW

電流が 10 倍になると、発熱は 100 倍になります。だから抵抗定格は、計算上の電力ぴったりではなく、余裕を見て選びます。

12 V を加えたとき、抵抗値を変えた場合の電力です。

R電流電力 \( P = V^2/R \)
100 Ω120 mA1.44 W
220 Ω54.5 mA0.655 W
470 Ω25.5 mA0.306 W
1,000 Ω12.0 mA0.144 W

同じ 12 V でも、100 Ω では 1.44 W です。小形の抵抗では足りない場合があるため、電流計算と発熱計算はセットで行います。

純抵抗だけに限定する理由

この記事の \( V = IR \) は、抵抗値が一定とみなせる純抵抗に使います。温度変化が大きい場合や、部品自体の電圧電流特性が非線形の場合は、この形だけでは読めません。

純抵抗 1.0 kΩ に 10 V を加えれば、

$$I = \frac{10\ \mathrm{V}}{1,000\ \Omega} = 0.010\ \mathrm{A} = 10.0\ \mathrm{mA}$$

これは、10 V の全体が抵抗にかかり、抵抗値が 1.0 kΩ のままという前提です。一方、LED は電圧と電流の関係が直線ではありません。LED の電流制限は、LED直列抵抗の計算 のように、順方向電圧を別に扱います。

部品V-I 関係この記事の式の扱い
固定抵抗ほぼ比例そのまま使う
LED・ダイオード非線形後のステップで扱う
コイル時間変化と逆起電力を持つ後のステップで扱う
小型モータ抵抗、誘導性、回転状態が混ざる後のステップで扱う

部品の電圧電流特性が違うから、同じ \( V = IR \) をそのまま当てると誤ります。だからまず、純抵抗に限定して計算の形を固めます。

計算ミスが起きやすい所

最も多いのは、mA を A に直さないミスです。\( 20\ \mathrm{mA} \) は \( 20\ \mathrm{A} \) ではなく、\( 0.020\ \mathrm{A} \) です。

たとえば、5.0 V で 20 mA にしたいなら、

$$20\ \mathrm{mA} = 20 \times 10^{-3}\ \mathrm{A} = 0.020\ \mathrm{A}$$

$$R = \frac{5.0\ \mathrm{V}}{0.020\ \mathrm{A}} = 250\ \Omega$$

kΩ も Ω に直します。\( 2.2\ \mathrm{k\Omega} = 2,200\ \Omega \) なので、24 V を加えた電流は、

$$I = \frac{24\ \mathrm{V}}{2,200\ \Omega} = 0.01091\ \mathrm{A} = 10.9\ \mathrm{mA}$$

誤りやすい書き方正しい換算ずれる理由
20 mA を 20 A として計算0.020 A1,000 倍大きい電流になる
5 mA を 5 A として計算0.005 A必要抵抗が 1/1,000 になる
2.2 kΩ を 2.2 Ω として計算2,200 Ω電流が 1,000 倍大きく出る
1.0 kΩ を 1 Ω として計算1,000 Ω発熱見積もりも桁違いになる

抵抗には許容差があります。電源電圧 5.0 V、表示値 1.0 kΩ の抵抗で、許容差だけを考えると電流範囲は次のようになります。

抵抗の許容差抵抗範囲電流範囲
±1%990〜1,010 Ω4.95〜5.05 mA
±5%950〜1,050 Ω4.76〜5.26 mA
±10%900〜1,100 Ω4.55〜5.56 mA

理論値と実測がずれる理由は、抵抗の許容差、電源電圧の変動、温度上昇、測定位置の違いです。計算値は基準ですが、実機では部品の範囲と測定条件を合わせて見ます。

症状から見る確認手順

症状原因確かめ方対策
電流が桁違いにずれるmA と A の換算ミス式に A で代入しているか確認mA を必ず A に直す
抵抗が異常に熱い電力定格不足\( P = V^2/R \) で再計算定格の大きい抵抗にする
実測電流が計算と少し違う抵抗許容差、電源変動抵抗値と電源電圧を実測許容範囲で判断する
LED 回路で合わない純抵抗として扱っている部品の電圧電流特性を見るLED の式で計算する

次の計算へつなぐ見方

オームの法則で、電圧・電流・抵抗の 3 量は相互に計算できます。必要抵抗を求めるときは、電源電圧と目標電流を先に決めます。

5.0 V で 20 mA を流したい場合は、

$$R = \frac{5.0\ \mathrm{V}}{0.020\ \mathrm{A}} = 250\ \Omega$$

そのときの電力は、

$$P = 5.0\ \mathrm{V} \times 0.020\ \mathrm{A} = 0.100\ \mathrm{W}$$

同じ条件を \( P = I^2R \) で検算すると、

$$P = (0.020\ \mathrm{A})^2 \times 250\ \Omega = 0.100\ \mathrm{W}$$

丸め前の同じ値を使えば、3 通りの電力式は一致します。違う値になるときは、単位か代入した条件を見直します。

与えられた量求める量使う式
V と RI\( I = V/R \)
I と RV\( V = IR \)
V と IR\( R = V/I \)
V と IP\( P = VI \)
I と RP\( P = I^2R \)
V と RP\( P = V^2/R \)
  • 単一の純抵抗では、電源電圧、電流、抵抗値を \( V = IR \) で結べます。
  • 計算前に、mA は A、kΩ は Ω に直します。
  • 抵抗の発熱は電力で確認し、定格に余裕を持たせます。
  • LED、コイル、直列・並列回路では条件が増えるため、後のステップで分けて扱います。

このステップの前後

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この記事を書いた人

機械設計・油圧・CAD・Python・AIなど、ものづくりに関わる技術を扱っています。工学知識を整理・構造化し、設計や自動化に再利用できる形へ変えていくことを目指しています。

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